
世界的にみても自然災害の多い日本は、これまで多くの地震・津波・台風・豪雨などによる被害が発生してきました。
特に2011年の東日本大震災では、首都圏において交通網が麻痺し、多くの帰宅困難者が発生するなど、大きな混乱が生じたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
近年では頻発する自然災害の影響もあり、防災意識は社会全体で高まってきています。
しかし、その一方で災害時に必要となる備蓄品や防災グッズの準備が一般家庭でも企業やオフィスなどでも適切に行えていないケースも少なくありません。
災害発生直後は物流やライフラインが停止し、支援物資が届くまで時間を要する場合があります。
そのため、普段から防災グッズや備蓄品を準備しておくことが非常に重要です。
一般家庭では各家庭で備蓄品や防災グッズを調べて準備することが多いですが、一方で「企業(会社・オフィス)」では、従業員の安否確認や帰宅困難者への対応も想定しながら、防災備蓄を計画的に管理することが重要になります。
企業における防災グッズや備蓄品の保管について、全国一律で細かく義務化されておらず、法令でも定められた義務はありません。ただし、災害発生時の安全確保や帰宅困難者対策の観点から、防災備蓄の重要性は年々高まっています。
例として、東京都では「東京都帰宅困難者対策条例」により、従業員等を一斉帰宅させないための備えや、3日分程度の備蓄が推奨されていたりと、自治体によっては事業者に対し備蓄を「努力義務」とし管理・計画を求めているケースもあります。
従業員や来客者の安全を守ることは、企業の社会的責任として非常に重要であり、防災対策への取り組みは、企業の信頼性や安心感にもつながります。
今回の記事では、企業(会社・オフィス)に必要な備蓄品や防災グッズ、保管時の注意点についてご紹介します。
本記事を通して、災害発生時にも落ち着いて行動し、安心して過ごせるよう日頃の備えについて考えるきっかけとなれば幸いです。
日本は海外と比べて自然災害が多い国

日本は、世界の陸地面積の約0.25%を占めるにすぎない小さな島国です。
しかし、内閣府のデータによると、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本周辺で発生しており、さらに世界の活火山の約7%が日本に集中しています。
また、世界全体の自然災害による被害額のうち、約2割を日本が占めているとも言われており、日本は自然災害のリスクが非常に高い国と言えます。
日本で自然災害が多い背景には、日本特有の「地形」「地質」「気象条件」が関係しています。
近年でも、2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震など、大規模な自然災害が発生しており、日本では災害がいつどこで起きてもおかしくない状況にあります。
そのため、企業(会社・オフィス)などでは、万が一の災害に備えて、日頃から防災グッズや備蓄品を準備しておくことが重要です。
企業(会社・オフィス)で防災グッズが必要な理由
企業(会社・オフィス)では、多くの従業員が働いているため、災害発生時に大きな混乱が生じる可能性があります。
特に地震や台風などの大規模災害では、停電・断水・通信障害などのライフライン停止が発生することも多く、復旧までに数日以上かかるケースも少なくありません。

企業では、従業員の安全確保はもちろん、帰宅困難者への対応や事業継続の観点からも、防災対策を行うことが重要です。
特に都市部のオフィスでは、大規模地震によって交通機関が停止すると、多くの従業員がすぐに帰宅できなくなる可能性があります。
そのため、事業所内で一定期間待機できるよう、防災グッズや備蓄品を準備しておく必要があります。
- ライフラインの停止に備えるため
- 食料や生活用品の不足に備えるため
- 衛生環境の悪化や健康被害を防ぐため
- 情報収集や連絡手段を確保するため
※本記事では、防災グッズ(ヘルメット・ラジオなど)と、備蓄品(飲料水・非常食など)を総称して「防災グッズ」と表現しています。
それぞれ詳しく解説いたします。
①:ライフラインの停止に備えるため

災害発生後は、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止し、復旧までに数日〜数週間かかる場合があります。
特に企業(会社・オフィス)などでは、多くの従業員が事業所内で待機する可能性もあるため、事前の備えが非常に重要です。
飲料水や非常食だけでなく、懐中電灯・防寒具・モバイルバッテリー・カセットコンロなどを備えておくことで、災害時でも比較的安心して過ごしやすくなります。
②:食料や生活用品の不足に備えるため

災害発生直後は、スーパーやコンビニなどで買い占めが発生し、食料品や生活用品が不足するケースがあります。
また、道路状況や物流停止の影響により、必要な物資がすぐに届かない場合もあります。
そのため、普段から非常食・飲料水・トイレットペーパー・衛生用品などを備蓄しておくことで、混乱を避けながら落ち着いて生活しやすくなります。
③:衛生環境の悪化や健康被害を防ぐため

避難生活が長引くと、感染症やトイレ問題など、衛生環境の悪化による健康被害が発生しやすくなります。
特に企業では、従業員が事業所内で待機する状況も想定されるため、衛生環境を維持することが重要です。
トイレ不足や手洗い環境の悪化は、体調不良や感染症の拡大につながる可能性があるため、事前の備えが欠かせません。
簡易トイレ・ウェットティッシュ・マスク・常備薬・消毒用品などを備えておくことで、健康被害やストレス軽減につながります。
④:情報収集や連絡手段を確保するため

災害直後は、正確な情報を素早く収集することが、安全確保や避難行動につながります。
しかし、停電や通信障害によってスマートフォンが使用できなくなる可能性もあるため、携帯ラジオや予備電池、モバイルバッテリーなどを備えておくことが重要です。
また、企業では従業員の安否確認や業務連絡を行う必要があるため、連絡手段を確保しておくことも大切です。
あわせて、緊急連絡網や安否確認システムの運用方法についても事前に確認し、災害に備えておくことをおすすめします。
まず備えておきたい基本の防災グッズ・備蓄品

企業(会社・オフィス)などの防災対策を考える際も、まずは基本となる防災グッズや備蓄品を理解しておくことが重要です。
防災グッズや備蓄品は、大きく分けると『自宅や建物内で避難生活を送るための備蓄品』と『避難時に持ち出す非常用持ち出し袋』の2種類があります。
災害発生時は、停電・断水・物流停止などにより、普段通りの生活が難しくなる可能性があります。
そのため、日頃から必要な防災グッズや備蓄品を準備しておくことが大切です。
ここでは、基本となる防災グッズや備蓄品についてご紹介します。
自宅や建物内で避難生活を送るための『備蓄品』

大規模災害によってライフラインが停止した場合、支援物資が本格的に届くまでには一定の時間がかかるとされています。
農林水産省では、最低3日分、できれば7日分程度の食料や生活用品を備蓄しておくことを推奨しています。
企業で必要な備蓄品は、従業員数やオフィスの規模、事業所内で待機する人数などによって異なります。
| 品目 | 防災グッズの例 |
| 飲料水 | ペットボトル入り飲料水3日分(1人1日3ℓを目安。3日分以上) |
| 食料品 | 缶詰・レトルト食品・アルファ米・乾麺・ 乾パン・ビスケット・チョコレートなど |
| 衛生・救急用品 | トイレットペーパー・ティッシュ・ ウェットティッシュ・消毒液・絆創膏・ 包帯・常備薬・マスク・使い捨て手袋など |
| 日用品 | カセットコンロ・ガスボンベ・ラップ・タオルなど |
| 電源・照明 | 懐中電灯・ランタン・携帯ラジオ・モバイルバッテリーなど |
| 貴重品 | 現金(小銭)・身分証・マイナンバー・印鑑など |
避難時に持ち出す『非常用持ち出し袋』

非常用持ち出し袋は、「個人用防災セット」「防災バッグ」「防災リュック」「避難用袋」などとも呼ばれ、災害発生時にすぐ避難できるよう、避難所で1〜3日程度生活することを想定し、最低限必要なものを入れてまとめた袋になります。
地震や火災など、緊急避難が必要になった場合にすぐ持ち出せるよう、玄関や寝室付近など取り出しやすい場所へ保管しておきます。
企業では、従業員ごとに最低限の防災セットをデスクやロッカーなどへ保管しておくことをおすすめします。
非常用持ち出し袋の中身は人によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
| 品目 | 防災グッズの例 |
| 飲料水 | ペットボトル入り飲料水500ml×2本程度 |
| 食料品 | 缶詰・アルファ米・栄養補助食品・乾パンなどの調理不要なもの |
| 衛生・救急用品 | 簡易トイレ・常備薬・持病の薬:お薬手帳・ 絆創膏・消毒液・ウェットティッシュ・ 歯ブラシ・トイレットペーパー・使い捨て手袋・マスクなど |
| 情報・電源 | 携帯ラジオ・モバイルバッテリー・懐中電灯・予備電池など |
| 生活・安全用品 | 毛布・アルミ保温シート・レインコート・ タオル・ヘルメット・軍手・ヘッドランプなど |
| 衣類 | 下着・靴下など |
企業(会社・オフィス)に必要な防災グッズや備蓄品

ここまで、基本となる防災グッズや備蓄品についてご紹介しました。
しかし、企業(会社・オフィス)などでは、従業員数やオフィスの規模、事業所内で待機する人数などによって必要となる防災対策や備蓄内容が異なります。
企業(会社・オフィス)では、多くの人の安全確保や、建物内での一時避難、帰宅困難者への対応なども想定しなければなりません。
そのため、年齢や性別を問わず使用しやすい衛生用品や非常食、簡易トイレなどを、利用人数に応じて十分な量保管しておく必要があります。
ここでは、企業(会社・オフィス)で備えておきたい、主な防災グッズについてご紹介します。
企業(会社・オフィス)に必要な防災グッズ・備蓄品

企業やオフィスでは、災害発生時に従業員の安全を確保するとともに、交通機関の停止による帰宅困難者への対応も想定する必要があります。
特に都市部の企業やオフィスでは、大規模地震によって交通機関が停止すると、多くの従業員が帰宅困難者となる可能性があります。
そのため、企業には従業員が一定期間事業所内で待機できるよう、防災グッズや備蓄品を準備しておくことが求められています。
そのため東京都では、企業(事業者)向けに「東京都帰宅困難者対策条例」が2013年4月に施行されています。
これは、大規模地震によって交通機関が停止した際、駅周辺や道路の混乱、二次災害などを防ぐため、「むやみに移動を開始しないこと」や「事業所内での待機」を推奨する条例になります。
また、従業員等が一定期間事業所内で待機できるよう、3日分程度の備蓄を行うこともこの条例では推奨されています。
飲料水・食料

災害発生時は、交通機関の停止やライフラインの寸断により、従業員や帰宅困難者がオフィス内で一定期間待機する可能性があります。
そのため、企業では飲料水や食料を十分に備蓄しておくことが重要です。
東京都の「帰宅困難者対策ハンドブック」では、以下のような備蓄の目安が紹介されています。
- 水:1人1日3L × 3日分(計9L)
- 主食:1日3食 × 3日分(計9食)
- 毛布:1人1枚
特に飲料水は、1人1日3Lを目安に、最低3日分以上を備蓄しておくことが推奨されています。
また、災害時は飲料水と生活用水を分けて確保することも重要です。
一般的には、以下のような優先順位で水を使用します。
- 飲料水
- 調理用の水
- 最低限の衛生用途(歯磨き・手洗いなど)
- 洗濯・掃除などの生活用水
断水時には、飲料水を手洗いやトイレなどの生活用水として使用するケースもあります。しかし、飲料水は非常に貴重なため、できる限り飲用や調理用として優先的に使用することが大切です。
そのため、企業やオフィスでは、手洗いやトイレなどに使用する生活用水を別で確保しておくことも重要になります。
例えば、ペットボトルの水は飲料用として使用し、手洗いやトイレには給水タンクや受水槽、高架水槽(建物内に貯められている水)に残っている水を活用する方法があります。
また、手洗いが十分にできない状況に備えて、以下のような衛生用品も準備しておくと安心です。
- アルコール消毒
- 泡タイプの除菌用品
- ウェットティッシュ
- 使い捨て手袋
食料については、アルファ米・レトルト食品・乾パン・栄養補助食品など、調理不要で賞味期限が長いものを備蓄しておくことが大切です。
また、災害発生直後は物流停止などにより食料不足が発生する可能性もあるため、日頃から少し多めに備蓄しておくと安心です。
※ライフライン停止を想定し、1人あたり3日分(9食程度)の食料を目安に準備しておくことが推奨されています。
また、企業では従業員の安否確認や情報共有を行う必要があるため、モバイルバッテリーや充電ケーブルなどの電源確保用品もあわせて備蓄しておくと安心です。
衛生用品

災害発生時は、断水やライフライン停止の影響により普段通りの衛生環境を維持することが難しくなる場合があります。そのため、感染症対策や健康被害を防ぐためにも、衛生用品を事前に備えておくことが重要です。
企業(会社・オフィス)などで備えておきたい主な衛生用品は以下になります。
- 簡易トイレ
- トイレットペーパー
- 生理用品
- 歯磨きセット
- ゴミ袋
- アルコール消毒用品
- マスク
- ウェットティッシュ etc.
特に簡易トイレは、断水や便器の破損によってトイレが使用できなくなった場合に備え、非常に重要な防災グッズとなります。
衛生環境の悪化を防ぐためにも、1人1日5回分程度を目安に、多めに準備しておくことが推奨されています。
また、衛生管理が十分に行えない状況では、感染症の発生や体調不良、避難者のストレス増加につながる可能性があるため、衛生用品は個人任せにするのではなく、事業所内で一定量を備蓄しておくことが大切です。
参考:内閣府(防災担当), 避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン, 平成28年4月(令和6年12月改定)
安全対策用品

災害発生時は、建物の損傷やガラスの破片、落下物などによって、思わぬケガや事故が発生する可能性があります。
また、地震や火災などの状況によっては、近隣の避難所への移動や、事業所内での待機、交通機関の復旧を待って徒歩で帰宅するケースも想定されます。
そのため、災害時の安全確保や避難行動に備え、安全対策用品を準備しておくことが重要です。
企業(会社・オフィス)で備えておきたい主な安全対策用品は以下になります。
- 防災ヘルメット
- 軍手
- 安全靴・スニーカー
- 防塵マスク・保護メガネ
- 毛布
- アルミブランケット
- カイロ
- 懐中電灯・携帯用ライト etc.
特に避難時は、停電による暗闇の中を移動したり、瓦礫や倒壊物の近くを歩いたりするため、歩きやすく丈夫な靴や手を保護する軍手、周囲を照らす懐中電灯、防災ヘルメットなどを備えておくと安心です。
また、冬場の災害では低体温症などのリスクもあるため、防寒対策も重要となります。毛布やアルミブランケット、カイロなどを準備しておくことで、待機中や避難時の寒さ対策につながります。
特に企業では、従業員が一定期間事業所内で待機する可能性もあるため、人数に応じた防寒用品や安全対策用品を備蓄しておくことが大切です。
情報収集グッズ

災害発生時は、停電や通信障害などによって、テレビ・インターネット・スマートフォンが一時的に使用できなくなる可能性があります。
そのような状況では、避難情報や交通情報、ライフラインの復旧状況など、正確な情報を迅速に収集することが非常に重要となります。
企業(会社・オフィス)で備えておきたい主な情報収集グッズは以下になります。
- 携帯ラジオ
- モバイルバッテリー
- 予備乾電池 など
国立国会図書館の資料「東日本大震災における災害情報提供について」では、被災地において地域新聞や災害FM放送などが活用されたことや、停電・通信障害の影響からラジオの利用率が高まったと紹介されています。
実際に東日本大震災では、停電や通信状況の悪化により、ラジオが重要な情報収集手段として活用されていました。
そのため、企業周辺の被害状況や交通情報を把握するためにも、携帯ラジオを備えておくと安心です。特に、手回し式や乾電池式の携帯ラジオであれば、停電時やインターネットが使用できない状況でも情報収集が行いやすくなります。
また、災害時には従業員やその家族との安否確認手段として、スマートフォンを活用する場面も想定されます。
スマートフォンを継続して使用できるよう、モバイルバッテリーや予備乾電池なども準備しておくことが重要です。
ここで注意いただきたいのが、モバイルバッテリーは長期間使用しないまま保管していると、自然に充電が減ってしまうことがあります。
そのため、定期的に充電残量を確認し、いざという時に使えるように充電しておくことが大切です。
また、企業では災害発生時に従業員の安否確認や業務連絡を行う必要があるため、緊急連絡網や安否確認システムの運用方法についても事前に確認しておくことをおすすめします。
防災グッズ保管の際の注意点

ここまで、企業(会社・オフィス)で必要となる主な防災グッズについてご紹介してきました。
しかし、防災グッズは「用意して終わり」ではありません。実際に災害が起きた際、すぐ使える状態で保管しておくことが非常に重要です。
特に企業やオフィスでは、防災グッズや備蓄品の量が多くなるため、「どこに保管するか」「すぐ取り出せるか」といった点が、災害時の対応に大きく関わってきます。
また、保管場所によっては、浸水や倒壊、避難経路の妨げになるリスクもあるため、安全面にも配慮しながら管理する必要があります。
そのため、防災グッズを保管する際は、「保管場所の選定」と「管理・運用体制の整備」をしっかり考えておくことが重要になります。
保管場所の選定

防災グッズや備蓄品を保管する際は、「すぐ使えること」と「安全に管理できること」の両方を意識することが重要です。
また、災害時には停電や建物被害によって、一部の場所へ立ち入れなくなる可能性もあるため、そのような状況も想定したうえで保管場所を決めておく必要があります。
そのため、保管場所については以下のようなポイントを意識しておくことが重要です。
Point①:分散備蓄(ぶんさんびちく)
分散備蓄とは、防災グッズや備蓄品を一か所にまとめて保管するのではなく、オフィス・倉庫・休憩室など、複数の場所へ分けて保管することを言います。
例えば、飲料水は倉庫、簡易トイレは各フロア、ヘルメットは執務室など、用途に応じて分散して保管しておく方法が有効です。
これにより、一か所が地震や火災などで使えなくなった場合でも、別の場所に保管している備蓄品や防災グッズを取り出して使用できるため、災害時でも必要なものを確保しやすくなります。
また、備蓄品を複数の場所へ分散して保管することで、一か所に保管場所を集中させず、空いている場所や限られたスペースを有効活用し備蓄品を保管できるため、大きな備蓄倉庫が不要となります。
Point②:すぐに使える場所へ保管する
防災グッズは、災害発生時にすぐ使用できる場所へ保管しておくことが重要です。
通路付近・出入口付近・キャビネットの下段など、すぐ持ち出しやすい場所に配置しておくことで、緊急時にもすぐ取り出して使用することができます。
また、防災ヘルメットをデスク横やイスへ掛けておくことで、災害時にすぐ頭を守りやすくなります。
さらに、災害時にエレベーターが停止することも考慮し、低層階や階段付近に備蓄品を保管しておくことも重要です。
Point③:安全な保管環境を確保する
防災グッズは、災害時に安全かつすぐ使用できる状態で管理しておくことが重要です。
浸水リスクのある地下や、水漏れの可能性がある場所、倒壊・落下の危険がある棚の近くなどは避けて保管する必要があります。
また、非常食・乾電池・モバイルバッテリーなどは、直射日光や高温多湿の環境では劣化しやすくなるため、保管場所の環境にも注意が必要です。
消防法(第8条の2の4)では、避難通路・避難口・防火扉・防火シャッターなどの前へ物を放置することが禁止されています。
消防法 第八条の二の四
「学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの管理について権限を有する者は、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないよう管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理しなければならない。」
引用元:消防法 第8条の2の4
管理と運用の徹底

防災グッズや備蓄品は、ただ保管するだけでなく、災害時にすぐ使用できる状態を維持しておくことが重要です。
非常食・飲料水・乾電池・モバイルバッテリーなどは、賞味期限や使用期限を少なくとも1年に1回以上は点検を行い、保管しているものや場所の一覧表を分かりやすくまとめ、「どこに何を保管しているのか」がすぐわかるように管理し、社内全体へ共有しておくことが大切です。
また、備蓄品や防災グッズを棚の上などへ保管する場合は、地震による転倒や落下を防ぐストッパーや落下防止ベルトを設置しておくことをおすすめします。
加えて、企業やオフィスでは、従業員だけでなく来客者や帰宅困難者への対応も想定しておく必要があります。
災害時は、想定以上に備蓄品を使用する可能性もあるため、防災グッズや備蓄品が不足した際に、「誰が」「どのように」補充するのかといった管理ルールまで事前に決めておくことが重要になります。
企業(会社・オフィス)に必要な防災グッズや備蓄品の相談は防災設備会社へ
企業やオフィスでは、必要となる防災グッズの種類や備蓄量も多くなるため、「何をどれくらい準備すればいいのか分からない」と悩まれるケースも少なくありません。
また、オフィスの規模や従業員数、事業所の状況によって必要となる備蓄内容も異なるため、それぞれの環境に合わせた防災対策を考えることが大切です。
そのような際は、防災設備会社へ相談しながら備蓄計画を進める方法もあります。

防災設備会社では、消防設備の点検や工事だけでなく、企業向けの防災グッズや備蓄に関するご相談へ対応している会社もあります。
私たち【株式会社リライアークス】でも、消防設備の点検・工事をはじめ、防災に関するご相談を承っております。
当社には、消防設備士や消防設備点検資格者などの国家資格を持つスタッフが在籍しており、お客様の建物や状況に合わせたご提案を行っております。
以下のようなご相談もよく対応しておりますので、防災グッズや備蓄についてお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
「どの防災グッズや備蓄品を選べばよいか分からない」
「会社でどれくらい備蓄しておけばよいか知りたい」
まとめ

日本は、地震・津波・台風・豪雨などの自然災害が多く発生する国であり、いつどこで大規模災害が起きてもおかしくありません。
そのため、企業(会社・オフィス)などでは、災害発生時に備え、飲料水や食料、衛生用品、安全対策用品、情報収集グッズなどを事前に準備しておくことが重要です。
特に企業やオフィスでは、一般家庭とは異なり、多くの従業員・来客者・帰宅困難者への対応も想定しながら、防災グッズや備蓄品を管理していく必要があります。
また、防災グッズや備蓄品は「備えるだけ」で終わりではなく、保管場所や管理方法も非常に重要です。
分散備蓄を行ったり、すぐ持ち出せる場所へ保管したりすることで、災害時にも必要な防災グッズをスムーズに使用できるようになります。
さらに、消防法を踏まえながら、安全に避難できる動線を確保したうえで保管場所を決めることも大切です。
災害時に落ち着いて対応できるよう、この機会にぜひ企業内の防災対策や備蓄状況を見直してみてはいかがでしょうか。
