
建物内に設置されている消火器や火災報知器などの消防用設備が、正常に作動するかどうか定期的に確認する作業のことを『 消防設備点検 』と言います。
消防設備点検は、定期的に点検を行うことで火災から命を守り、安全な環境を確保するための必要不可欠な作業です。
人命に直結する大事な点検のため、消防設備点検は法律(消防法)により義務づけられており、点検を怠ると法律違反となり罰則が科せられます。
今回の記事では「消防設備の点検」について焦点を当て詳しく説明していきます。
『マンションやビルなど消防設備のある建物を所有している方や管理者』、『消防設備点検についてよく分からないので詳しく知りたい!』
という方にぴったりな内容になりますのでぜひ参考にしていただけますと幸いです。
消防設備点検とは?

消防設備は、建物火災から被害を抑止することが目的とする設備で、消火器・屋内消火栓・スプリンクラーなどがあります。
消防設備点検とは、その設置されている消防設備が火災発生時に迅速かつ効果的に火災を鎮火・消化できるよう正常に機能が保たれているかを確認する作業になります。
また、消防設備点検は以下「消防法 第17条3の3」で定められているため、建物の所有者や管理者は定期的に点検をし、結果を消防署に報告することが義務づけられています。
消防法 第十七条の三の三
第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にああつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。引用元:e-GOV 法令検索, https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186, 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号) 令和7年6月1日施行(令和四年法律第六十八号), (参照2025-6-16)
万が一、点検を怠り消火器や火災報知器・避難器具などが正常に機能しないと、火災が発生した際に被害が大きくなる恐れがあり、点検を実施しなかった建物の所有者や管理者などは書房方に基づき責任を問われる可能性があります。
建物火災の怖さ
総務省消防庁のデータを見てもわかるように2014〜2023年(平成26年〜令和5年)の間、毎年火災件数のトップは「建物火災」となっています。
このデータを見ると、建物火災の出火件数・死者数共に前年より増加していることがわかります。

総出火件数 | 前年より2,358件(6.5%)増加 | 38,672件
建物火災件数 | 前年より801件(4.0%)増加 | 20,968件
総死者数(放火自殺者等を除く) | 前年より51人(3.5%)増加 | 1,503人
出火原因 (総出火件数の内訳) | たき火:3,473件(9.0%) コンロ:2,838件(7.3%) 放火:2,495件(6.5%) 電気機器:2,205件(5.7%) 放火及び放火の疑い:4,111件(10.6%) | タバコ:3,498件(9.0%)
以下表を見ていただくとわかるように、令和4年の建物火災による死者数は1,173名で、全ての火災による死者総数の80.8%で最多であることがわかります。
※令和5年の信頼性の高いデータが見つからず令和4年のデータでご紹介しています。

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 火災が2種以上にわたった場合は、死者が発生した方の火災種別(建物火災、車両火災、林野火災、船舶火災、航空機火災、その他の火災の別)で計上
3 合計欄の値が四捨五入により各値の合計と一致しない場合がある。引用元:総務省消防庁, https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r5/document/67043.html, 令和5年版消防白書 資料1-1-26 火災による死傷者の発生状況, (参照:2025-06-16)
また、建物火災による死因で最も多いのは火傷(やけど)で、次に煙や有毒ガスなどによる一酸化炭素中毒・窒息。
その中でも避難を試みたが逃げる途中・逃げ遅れてしまい命を落とされたケースが全体の42.0%も占めています。

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 ( )内は構成比を示す。
3 総計欄の値が四捨五入により各値の合計と一致しない場合がある。引用元:総務省消防庁, https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r5/document/67048.html, 令和5年版消防白書 資料1-1-21 火災による死因別死者発生状況の推移, (参照:2025-06-16)

(備考)
1「火災警報」により作成
2「全焼」とは、建物の焼損部分の損害額が火災前の建物の評価額の70%以上のもの、又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。
3「半焼」とは、建物の焼損部分の損害額が火災前の評価額の20%以上のもので全焼に該当しないものをいう。
4「部分焼」とは、建物の焼損部分の損害額が建物の評価額の20%未満のものでぼやに該当しないものをいう。
5「ぼや」とは、建物の焼損部分の損害額が建物の評価額の10%未満であり焼損床面積が1㎡未満のもの、建物の焼損部分の損害額が火災前の建物の10%未満であり焼損表面積が1㎡未満のもの、又は収容物のみ焼損したものをいう。 6 小数点第2位以下四捨五入により、合計値が100とならない場合がある。
引用元:総務省消防庁, https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r5/chapter1/section1/para1/66814.html#:~:text=%E3%82%A2%201%E6%97%A5%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%AE%E7%81%AB%E7%81%BD,1%2D1%2D20%EF%BC%89%E3%80%82, 2.火災による死者の状況 第1-1-4図 火災による経過別死者発生状況(放火自殺者等を除く。), (参照:2025-06-16)
東京消防庁の令和5年の消火器具を使った建物火災と、未使用の建物火災を比べてみると、1件当たりの火災につき平均焼損床面積は未使用の場合は「6.3㎡」使用した場合は「5.1㎡」」というデータが出ています。
また、古いデータになってしまいますが、平成24年の日本消化器工業会のデータによると、火災が発生した際に初期消火の段階で消火器が使われたのはわずか20%程度とまだ消化器の重要性が浸透していないように感じられます。しかしながら、火災発生時の初期消化の段階で消火器を使用すれば70%以上の確率で火災を鎮圧できるというデータが東京消防庁から出ていることからも消化器(消火設備)の重要性が伺えます。
このようなことから、火災を早期発見し初期消化を行うこと、奏効が困難と感じたら早急に避難することが重要であり、避難の際にも誘導灯や避難はしごなど避難設備が必要となるので、消防設備点検は非常に重要だと言えます。


※消火器具とは、消火器及び簡易消火具をいいます。
※消火器具の設置が法令で義務付けられている防火対象物での火災における比較です。
※消火器が設置されていたが「使用の要なし」の火災は除いています。 「使用の要なしの火災」とは、他の消防設備や水道水などを使用したため消火器具を使用する必要がなかったものや、火災が小規模で済んだため、使用するまでに至らなかったものをいいます。
※データは令和5年速報値です。
引用元:東京消防庁, https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/extinguisher.html#:~:text=%E6%B6%88%E7%81%AB%E5%99%A8%E7%AD%89%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C,%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E6%B6%88%E7%81%AB%E5%99%A8%E5%85%B7%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%B6%88%E7%81%AB,5%E5%B9%B4%E9%80%9F%E5%A0%B1%E5%80%A4%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82, 東京消防庁>個人の方へ>火災予防>持っていますか?マイ消化器>消火器等の効果, (参照:2025-06-16)
消防設備とは?

消防設備とは、火災時の対応や避難をサポートするための設備や施設全体の総称のことを指します。具体的には、消防法にて以下のような設備に分類されています。
- 消火設備
- 警報設備
- 避難設備
- 電気設備
この他にも、建築基準法で定められた「防災設備(ぼうさいせつび)」や「防火設備(ぼうかせつび)」などもありますが、こちらはまた法令などが異なりますので、今回は割愛させていただき今後別の記事でじっくり解説をさせていただきます。
消防設備の重要性
火災は前触れなく発生し、人命や財産に多大な被害を及ぼします。
消防設備点検で適切にメンテナンスされた消防設備があれば、その危険性を大幅に減少させることができます。
消防設備点検を怠ると法令違反となり罰則が科せられるだけでなく、いざ火災が発生した際に消防設備が正常に機能しない可能性が高まり、火災の拡大や被害の増大を招きかねません。自分たちの建物以外の建物にも被害を拡大させないためにも消防設備点検は非常に重要な制度であるということが言えます。
消化設備とはどのような設備?

水その他消火剤を使用して消火を行う機械器具または設備
引用元:総務省消防庁 日本の消防機器
消火設備とは火災が発生した際に水や消火剤を用いて消火活動を行うための機器や設備・システムの総称です。消防設備の一部であり、消防法により多くの建物に設置されており、点検義務が定められています。
消火設備があることで、万が一建物火災が発生した場合に、迅速かつ効果的に消火活動を行うことができ、火災の被害を最小限に抑えることができます。
特に初期消火はとても重要で、消火設備を適切に使用することで、早い段階で消火を成功させ、延焼を防ぐことができます。
消火設備には以下のようなものがあります。
- 消火器・簡易消火用具等屋内消火栓設備スプリンクラー設備
- 水噴霧(みずふんむ)消火設備
- 泡消火設備
- 不活性ガス消火設備
- ハロゲン化物消火設備
- 粉末消火設備屋外消火設備
- 動力消防ポンプ設備
警報設備とはどのような設備?

火災の発生を報知する機械器具又は設備
引用元:総務省消防庁 日本の消防機器
警報設備とは、火災やガス漏れなどの非常事態を感知し、建物内の人々に警報を鳴らすことで危険を知らせる設備のことを指します。こちらも消防法で定められており、さまざまな建物に設置され、点検が義務づけられています。
警報設備があることで火災による煙や熱を感知し、早期に火災の発生を知らせることができ、初期消火や避難誘導をスムーズに行うことができ、逃げ遅れによる死亡を減らす効果が期待できます。
警報設備には以下のようなものがあります。
- 自動火災報知設備
- ガス漏れ火災警報設備
- 漏電火災警報器
- 非常警報器具
- 消防機関に通報する火災報知設備
- 非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン・放送設備)
避難設備とはどのような設備?


火災が発生した場合において避難するために用いる機械器具または設備
引用元:総務省消防庁 日本の消防機器
避難設備とは、建物内で火災などの災害が発生した際に、安全に避難するための設備や器具のことを指します。災害時の避難経路確保や、避難器具の設置が法律で義務づけられています。
避難設備は「避難器具」と「誘導灯・誘導標識」に分類されます。避難器具は、災害時に階段などの通常利用できる避難経路が使えなくなった際に、安全な場所へ避難するための補助手段となります。
誘導灯・誘導標識は暗い場所でも視認性を確保し、避難口や避難経路を安全かつ迅速に案内することを目的としています。
避難設備には以下のようなものがあります。
① 避難器具
- 緩降機(かんこうき)
- 避難はしご
- 救助袋
- 滑り台
- 避難ロープ
- 避難用タラップ
② 誘導灯・誘導標識
- 避難口誘導灯
- 通路口誘導灯
- 蓄光式誘導標識
- 誘導灯用信号標識
消防設備点検の対象となる建物とは?

消防設備点検の対象となる建物は、消防法で定められた消防設備(消火器・自動火災報知器・スプリンクラーなど)が設置されている建物になります。
ご自身の所有・管理している建物が消防設備点検の対象となる建物かどうかご確認ください。

延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物
延べ面積1,000㎡以上の建物は、不特定多数の人が出入りする施設の多くがこちらに該当します。これらの建物は、多くの人が利用するため火災が発生した場合、避難に時間がかかる可能性があるため、より消防設備点検の必要性が高くなります。
- 劇場
- 映画館
- ホテル
- 旅館
- 病院
- 老人ホーム
- 飲食店
- 百貨店
- ナイトクラブ
延べ面積が1,000㎡以上の非特定防火対象物で消防長または消防署長が指定するもの
特定防火対象物に指定されていない建物でも、延べ面積が1,000㎡以上の非特定防火対象物で、消防庁または消防署長が指定する以下のような建物は、消防設備点検をしなければなりません。
- 工場
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 大学
- 事務所
- 教会
- 寺院
- 神社
- 美術館
- 博物館
- 図書館
- 延べ面積1,000㎡以上のマンション
これらは特定防火対象物ではありませんが、用途や構造が一般的な建築物とは異なるケースが多く、特別な注意を必要とします。そのため、各地域の消防長や消防署長が指定した場合には、消防設備点検を行う義務があります。
特定一階段等防火対象物
特定一階段等防火対象物は、地下または3階以上の階に特定用途部分があり、そこから避難する階までに通じる階段がひとつしかない建物のことを指します。
- 飲食店
- ホテル
- 病院
- 福祉施設
など、不特定多数の人が利用する建物が該当し、これらは火災発生時の避難がしにくく、火災が広がりやすい構造のため、消防法による厳しい防火対策と点検が義務づけられています。
二酸化炭素消化設備(全域放出方式)が設置されている建物
二酸化炭素消化設備(全域放出方式)が設置されている建物は、建物の延べ面積に関わらず消防設備士などの有資格者が消防設備点検を行う必要があり、以下のような建物が該当します。
- 多量の火気を使用する場所(ボイラー室・乾燥室)
- 一定規模以上の通信機器室
- 発電機・変圧器などの電気設備が設置してある場所(電気室)
- 機械式の立体駐車場
- 指定可燃物貯蔵取扱場所
- 危険物を取り扱う場所
※駐車場内での点検作業中に誤作動が原因で消化ガス(二酸化炭素)が放出し、数名の方が死傷するという事故が次々と起こったという理由から令和5年4月以降に消防法が改定された際にこちらの建物も対象となりました。
一般家庭のお家では、消防設備点検義務はあるのか?

一般家庭の一戸建て住宅では、消防設備点検を行う義務はありません。
最近では、家庭に消火器が自主的に設置されているケースも増えてきています。
自主的に消火器を設置している場合は、点検の義務はないため火災発生時に備え、自主的な定期点検や交換を行うことが重要です。
一方で、延べ面積1,000㎡以上のマンションは消防設備点検の対象建物になります。
管理者や管理会社に点検の義務があり、住んでいる個人の方に点検の義務はありません。
マンションには屋上・階段・廊下などの共用部分にさまざまな消火設備の設置が義務付けられており、共用部分の消火設備点検はマンションの管理人や管理会社が点検に立ち会うため、個人の立ち合いは不要です。
ただし、部屋の中に消防設備がある場合は、消防設備点検に立ち会う必要があるため事前に管理人や管理会社が点検日時のお知らせをし、指定日時の間に有資格者が室内に立ち入り点検を行いますのでご自身の命を守るためにも積極的に点検にご協力ください。
消防設備の点検期間と種類について


消防設備の点検は機器点検と総合点検の2種類があり、それぞれ定期点検の期間が異なります。
機器点検
消防設備の機器点検は『 6ヵ月に1度 』行われます。
点検時の確認内容
主に以下のような内容を点検時に確認いたします。
- 消防設備が適切に設置されているか
- 機器の外観に損傷などはないか
- 機器の有効期限は問題ないか
- 機器に必要な付属品はそろっているか
- 簡易的なテストを行い機器が正常に動作するか etc.
点検対象となる消防設備
機器点検の対象となる消防設備などは以下になります。
- 消火器
- 屋内消火栓
- 誘導灯
- 自動火災報知機 etc.
総合点検
消防設備の総合点検は『 1年に1度 』行われます。
さまざまなシチュエーションを想定し消防設備を実際に作動させ、総合的な機能や性能を確認します。
先ほどの半年に1回の機器点検とは異なり、消防設備の機能が正常に作動するかを徹底的に確認する点検となります。
点検時の確認内容詳細
主に以下のような内容を点検時に確認いたします。
- XXXX
- XXXX
- XXXX
- XXXX
- XXXX etc.
点検対象となる消防設備
機器点検の対象となる消防設備などは以下になります。
- 消火器
- 屋内消火栓
- 誘導灯
- 自動火災報知機 etc.
消防設備点検はどのような会社に依頼するべき?

消防設備点検は家電量販店などに依頼することはできません。
消防設備点検は専門的な知識と技術が必要なため、『消防設備業者』に依頼するのがオススメです。
消防設備業者に点検依頼する際には、以下のようなポイントを意識してお問い合わせし依頼してみることオススメいたします。
- 消防設備士の資格保有者や消防設備点検資格者が点検を行ってくれるか
- 消防設備点検の実績が豊富で、実績公開なども行っているか
- 消防設備の設計・施工・点検を一貫して行っているか
- 下請け担当者でなく依頼した業者の担当者がしっかり点検と対応を行ってくれるか
- 万が一、誤作動などの急な不具合が発生した場合にもすぐに駆けつけ対応してくれるか
- 点検する建物から依頼する会社が遠くないか(緊急時の駆けつけ時間に影響)
消防設備点検を行うためには資格が必要?
消防設備点検をするには、消防設備士または消防設備点検資格者という資格が必要です。
簡単にそれぞれの資格についてご説明します。
消防設備士
消防設備士の資格があると、火災警報器・消火設備・避難設備などの点検や整備・工事を行うことができます。
また、消防設備士は甲種と乙種の2種に分けられます。
- 甲種:消防設備の点検・設備・設置・交換ができ、特類~5種まであります。
- 乙種:消防設備の点検・整備ができ、1類~7類まであります。
以下簡単な表にまとめました。
種類 | 対象消防設備 |
甲種 | 特殊消防用設備など(従来の消防設備等に代わり、総務大臣が該当消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備等) | 【特類】
甲種・乙種 | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備 【第2類】 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備 【第3類】 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 【第4類】 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備 【第5類】 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 | 【第1類】
乙種 | 【第7類】漏電火災警報器 | 【第6類】消火器
消防設備点検資格者
消防設備点検資格者は、消防用設備の点検ができる資格になります。
消防法で義務づけられている定期点検を、消防設備士と並んで点検を行うことができ、この資格があると消防設備の点検を業者に依頼しなくても自分で点検を行うことができます。
消防設備点検資格者ができる点検の種類は以下になります。
- 第1種:機械系統の消防設備(消火器・スプリンクラーなど)の点検
- 第2種:電気系統の消防設備(火災報知機・誘導灯など)の点検
- 第3種:1種、2種以外の特殊な消防設備(例えば、水消火設備など)の点検
消防設備点検資格者になるには、消防設備点検資格講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
注意点としまして、消防設備士とは異なり、工事や整備を行うことはできません。
消防設備点検の主な流れ
消防設備点検の流れを簡単にではありますが、ご説明します。
依頼者が消防設備点検をする業者を選定し、点検を依頼。
点検日の決定と対象となる施設の平面図・設備リストなどを準備します。
事前に調整した日程で有資格者が機器点検や総合点検を行い、結果を記録します。
点検を行った業者が点検結果をもとに、点検結果報告書(例:消防用設備等点検結果報告書)を作成。
報告書には、点検作業の実施内容・不備箇所・修理見積りなどが記載されます。
建物の所有者、管理者又は占有者が消防署へ点検結果報告書を提出。
特定防火対象物の場合は1年に1回、その他の防火対象物の場合は3年に1回提出すれば完了です。
点検の際に不具合が見つかった場合、修理や改善のための対応が必要となります。
改修工事が必要な場合は再び業者に依頼し、改修完了後に報告書を再度消防署へ提出します。
まとめ

今回は消防設備の種類や対象の建物、点検期間・流れなど消防設備点検について解説しました。
火災の中で建物火災は最も多く、火災による死者総数の80%以上が建物火災です。
命に直結する火災だからこそ、消防設備がとても重要でありどんな時でも建物内に設置された「消火設備」「警報設備」「避難設備」などの消防用設備が正常に機能するように消火設備を設置している建物の所有者や管理者は、『機器点検を半年に1回』と『総合点検を年に1回』と定期的に点検を実施するよう法令で義務付けられています。
消防設備点検を依頼する際には、消防設備業者に依頼することをお勧めいたします。点検依頼する際には、先ほどお伝えした消防設備業者選びのポイントを確認し、複数の会社から見積りを取りその中から信頼のできる業者を選択し点検依頼することが大切です。
建物火災はいつ起こるか誰も予測ができません。
必ず消防法に従った期間で定期的に消防設備点検を行い、どんなときにも命や財産を守れるように準備をしておきましょう。
消防設備点検で、分からないことや相談がございましたらいつでもご連絡ください。
作業に出ておりますと、お電話に出ることが難しいことが多いため、何かご用の際は1度メールにてご連絡いただけると幸いです。